ニコタマ製作所。日誌

東京は二子玉川に住んで20年。お仕事と子育てをなんとか回している、庶民派主婦です。

2016年本屋大賞受賞『羊と鋼の森』に重大な間違いを発見!

★いくつかご指摘をいただいたので、下の方に追記しました。 

知らない人にとっては「重大」とまでは言えないかもしれませんが、せっかく物語の世界に浸っていたのにこういう間違いに気づいてしまうと、やはりその時点で興ざめになることは否めません。

 

最近、小説を読むことは少なくなっていたのですが、正月休みだし、ビジネスブックマラソンで紹介されていたし、仕事がテーマになっているし……ということで手に取った、2016年本屋大賞受賞作『羊と鋼の森』。

 

新米調律師となった男の子が、自分の才能やセンスに不安を抱えながらも真摯に仕事に向かい合い、成長していくお話です。

そうだね、自分がこの仕事をやっていけるのか、才能がないんじゃないか、それでも仕事から離れられない、離れたくないと思う気持ちは、どの仕事でも同じだね……なんて思いながら読み進めておりました。

そして、弾きこなすだけの技術がない人のピアノを高度に調律するとかえって弾きづらくなるからそこまで熱心に調律しない、と語る調律師のくだりに差し掛かったところ、次のような文章が。

 

ーーーーーーー

いくら打球がよく飛ぶからと言って、いきなり素人の小学生に金属バットは重い。

「だけど、もったいないです」

秋野さんも、ピアノも、木製バットで素振りするしかない小学生も。

ーーーーーーー

 

えっと、あのー、、、、、

木製バット振る小学生なんていませんから!

小学生は金属バットですから!!

木製バット使うのはプロですからーーー!!!!!

 

いや、例外はあるでしょうけど、一般的な野球少年はほとんど金属バットか複合素材のバットではないでしょうか。

木製バットなんて重くて小学生は振れないっすよ、振れても飛ばないし。

ていうか、高校生だって金属バットだよ!

プロになってやっと木製バットを使うんだよ!!

 

「金属バットは重いから木製バットで素振りするしかない小学生」ってどゆこと……?とびっくりしてネットで検索してみたんですが、ざっと見た限り、アマゾンのレビューでも言及している人は見当たらず、ツイッターで触れている人を一人見かけたくらいでした。

 

いや~、これねえ。ちょっとだめなんじゃないでしょうか。

小説に使う比喩として軽率なのでは。

少なくとも、編集者は気づくべきだったんじゃないかと。

だって、プロが木製バットで、高校野球までは金属バットって、

わりと常識の範囲のことだと思うので。

 

そんなわけで、読みながらえらくもやもやしてしまったのですが、

このことがあまり言われていないことにもびっくりだったんですよね。

つまり、少年野球をやっている子供が身近にいてなおかつ『羊と鋼の森』の読者である人がものすごく少ないってことなのか、と。実はレアケースだったのかと。

要は、野球人口も読書人口も、どんどん減っているということなんでしょうかねえ。

その両者の接点のなさが笑えました。

 

★2018/01/07 追記
いくつかご指摘いただいたので追記します。
プロだけではなく、社会人野球と大学野球でも試合での木製バットの使用が義務付けられているそうです。
力の強い大人が金属バットを使うと打球が速すぎて危険とか、ヒットが出すぎて試合が長引く、といったことが理由かと思われます。
いずれにしても、「木製バットはかなり本気で野球やってる人」向けのものです。

また一方、少年野球用の木製バットも販売されていますが、主な用途はトレーニング用です。というのは、金属バットよりも重く、芯でとらえるのも難しいので、練習で使うのに適しているためです。
ですから、木製バットを使っている小学生がいたら、その子は
「キミ、プロめざしてんの? 意識高いね!」的な子だということです。

いずれにしても、「いきなり素人の小学生に金属バットは重い」「木製バットで素振りするしかない小学生」というのは明らかな間違いです(←しつこい)。

羊と鋼の森 (文春文庫)

羊と鋼の森 (文春文庫)

 

 映画にもなるんですね。山﨑賢人主演で。

三浦友和は観たい。